とらやとしての活動も丸5年を過ぎました。
タイミングのきっかけとしてはプリンスの訃報だから2016年以降ということになる。
早いね。
最近色々思うこともあって、新たな方法論を見出すべく悩むことも多くなってきた。
気分転換という訳ではないが、最近「オシャレ」とされているネオソウルを1曲、音色やミックスも含めてコピーしてみようと考えた。
とらやサウンドのヒントが見つかるといいな、と。
で、以前当ブログでも紹介したトムミッシュ。
まだ20代前半のイギリス人。
ボーカルだけじゃなく、ギタリストでもあり幼少時はバイオリンを習っていたという音楽エリート。
アルバムの中で一番印象的だったこの「Disco Yes」。
簡単に分析の成果をあげると・・・
・基本的にはギターインスト。Aメロ/Bメロに歌半分語り半分のボイスが入っているが、一番盛り上がるところはギターが主役。2番の女性は本人のお姉さん。
・作品の主役はギターだが、サウンドの主役はベース。クイーンの「地獄へ道連れ」の元曲にもなったシックの「Good Times」へのオマージュを感じさせるベースライン。
恐らくトム本人が弾いているんじゃないかなあ。音はプレベだよね。
Bメロ以外は4小節パターンのベースラインで3分以上引っ張っている。
・で、そのベースラインが同じまま場所によってウワモノのコードが変化する。というのが最大の特徴かな?
イントロ(頭のギターのテーマ部分)は3小節目Amin7 Bmin7 Cmaj7、4小節目B-7/E E7という感じなんだけど、Aメロ後半(ギターが白玉で入ってくるところ)は3小節目Amin7 Cmaj7、4小節目B-7/E Dmin7/Aという感じに変化する。
最後のDmin7の7thのC音がトップに来てるんだけど、それがとってもJazzyに響く。
※ベースが動いているのでラインととるかルートととるかでコードネームはずいぶん変わります。悪しからず。
・あとはまるで修行のようなスカスカアレンジ。ギターもベースも結構ギリギリのタイミングに踏ん張ってたりしてスリリング。
昔(80年代)とかみたいに録れるだけ録って、ミックス時に引き算する手法ではないような気がする。どちらかというと枯山水のような美学で組み立てられてるように聴こえません?
お待たせしました。
とらやのカバーバージョンがこちら。
フル尺作ったけど冗長なので動画はワンハーフサイズです。
曲の重要エッセンスではないと判断したのでボーカルはなし。
ベースも弾いた。ドラムはサンプルのストックから似てる音を探したもの。
シンセやエレピは結構適当。
一番強く感じたのは、やはりR&Bは反復してナンボの音楽ということ。
各楽器の音色もびっくりするくらいオーソドックス。
完全に違う世代としてソウル/R&Bをとらえているんだね。考えてみればジャミロクワイも30年近く昔だしな。
あとはやはりイギリス人の生真面目さが強く出てるね。インドア感とか。
アメリカ人的なウェーーーイ!な感じは全くない。ディスコの歌なのにw
ここのところ、曲を作るにしても少し頭でっかちになってたことがよく分かった。
少し視野を広げて違う所に頭を使ってみようと思ったし、古いR&Bの消化の仕方が自分と違う部分だけじゃなくて共通点もあることが分かった。だから「これでいいのだ!」という要素も再認識できた。
一つの方法論にぶら下がることなく、色々試していこうと思う。
もうすぐ何もないGWだね。